第6回通信産業本部定期全国大会を開催
格差拡大の「ジョブ型雇用制度」は許さない
 
安心して働き続けられる職場を 
 
2021年9月4日
Web会議にてリモート開催
 
 メインスローガン
コロナ危機をはねかえし、組織拡大・強化で、安心して生活できる、働きやすい職場と社会をめざそう
憲法改悪阻止、核兵器のない平和な社会、原発のない安全な社会をめざそう
   
 サブスローガン(抜粋) 
組合員の総力で組織拡大を成功させよう!
NTTグループ労働者の大幅賃金を引き上げ、非正規雇用労働者の最低賃金1500円実現、均等待遇を勝ちとろう!
「成果・業績主義」賃金制度を廃止、生計費原則の賃金を実現させよう! 
 
 
 宇佐美俊一委員長のよびかけで「団結ガンバロウ」を行う大会代議員と出席者=9月4日
 
 
 JMITU通信産業本部は9月4日、新型コロナウイルスの感染爆発が広がるなか、昨年に続きオンラインで第6回定期大会を開催しました。
 20秋闘から21春闘をはじめとする一年間のたたかいを総括するとともに2021年度運動方針を採択しました。
 通信産業本部宇佐美俊一委員長は、あいさつで「NTTはコロナ禍のもとでも、2021年3月期末の連結決算で、営業収益・営業利益を増収増益とし、営業収益及び当期利益は過去最高を更新させ、いずれも当初の業績予想を上回る結果となっている。

 来年度の業績予想は、全てで過去最高とし、当期利益は初の1兆円超えをめざすとしている」と強調。

 NTTグループ会社は、終身雇用は維持した「ジョブ型処遇制度」を社員にまで拡大する提案を行い、「成果主義のさらなる強化を押し付けようとしている」と述べました。
 秋闘は定年延長と均等待遇の実現を

 秋からのたたかいは、「賃下げなしの65歳までの定年延長」を勝ちとるたたかい、非正規雇用労働者の賃金や夏・冬の特別手当も含め、住宅補助や扶養手当の均等待遇を実現するたたかい、同時に国民の命と暮らしを守る憲法にもとづく、新たな政治を実現させることが必要です。
  副反応は年休ではなく診断書なしの病休で

 討論では、新型コロナウイルスの拡大によりテレワークなどが常態化し、門前ビラ配付が思うように進まない中でもたたかっている組合員の姿が明らかになりました。

 ワクチン接種に関する服務の扱いで通信労組は、副反応で出社できない場合も勤務扱いを要求していたが「診断書なしの病休扱い」とする回答を引き出しました。

 しかし、職場で聞きとり調査をしたところ、副反応は一方的に年休扱いになっていることが判明。

 「全国的に調査してほしい」と意見がでました。また「陽性者が出た場合、フロア全員のPCR検査を行うよう要求書を出す」など活発な発言がありました。
 
 
 
  機関紙コンクール
 月間部門
〇佳作
「通信産業本部 東京支部」  東京支部
「通信労組かながわ」 神奈川分会
「通信労組おおさか」 大阪支部
「通信労組ひょうご」 兵庫支部
「おいでんか」  四国分会
 
不定期部門 
〇佳作
「とんび」  中国支部広島分会
「共済会ニュース」  通信労組共済会
 
ビラ部門 
〇佳作
「21春闘-ビラ」  通信産業本部 
 

 
 
宇佐美俊一JMITU通信産業本部執行委員長あいさつ(要旨)
 
 職場も社会も転換期だからこそ安心できる社会・職場をつくろう
 
   新型コロナウイルス感染症に対する科学的対策を学ばず無策の自民・公明の政治が、一年半以上も国民のいのちと暮らしを危険にさらしています。
 私たちはこの一年、労働者の要求実現にむけ、コロナワクチン接種時の副反応に、診断書不要の「病休扱い」を実現させ、NTT西日本のシステム故障対応で本来業務のインセンティブ手当減収に、同額支払いと繁忙手当を要求し、労働者の暮らしと健康を守ってきました。

 新型コロナが蔓延するもとでNTTグループ各社は業務体制をリモートワーク中心へと大きく舵を切りました。

 会社は業務内容や職場体制が大きく変化するなか、「ジョブ型処遇制度」を社員にまで拡大すると提案をしています。

 会社が決めた専門分野単位ごとに業務の重要度や難易度、必要な能力・スキルを職務記述書で定め、それに応じた配置を行い、その評価基準に応じた処遇へ見直すものです。

 さらに格差を拡大させる賃金制度が懸念され、雇用と労働条件を低下させない取り組みが必要です。

 会社による締め付け強化で苦しむすべての労働者に、ホームページの充実と機関紙で語りかけ、つながりを深め、組織拡大につなげましょう。

 菅首相の突然の辞任に、マスコミは首相が変われば期待が持てるかのような幻想をふりまいていますが、自民・公明による政治が続く限り、誰が首相になろうと国民無視の本質は変わりません。

 今度の総選挙は国民のための政治への転換を実現する絶好のチャンスです。職場も政治も社会も大きな転換期にあるいま、平和と民主主義を守り、安心して働き続けられる職場をつくるために通信産業本部の存在意義を遺憾なく発揮しましょう。
 
 宇佐美俊一JMITU通信産業本部執行委員長あいさつPDFはこちらから
 

 
 
■大会宣言
 
 

 JMITU通信産業本部は9月4日、新型コロナウイルスの感染爆発が広がる中、昨年に続きオンラインで第6回定期大会を開催し、20秋闘から21春闘をはじめとする一年間のたたかいを総括するとともに、2021年度運動方針を採択しました。

 討論では、新型コロナウイルスの拡大によりフレックスタイムやテレワークが常態化し、門前ビラ配布が思うように進まないなどの困難がある中でも奮闘し、たたかっている組合員の姿が明らかになりました。

 21春闘では、郵政20条裁判の最高裁判決により、通信産業本部の要求である非正規社員の待遇格差是正要求の正当性が明らかとなり、機関紙や団体交渉で粘り強く要求し、たたかってきた成果として格差是正の前進につなげました。

 ワクチン接種に関する服務の扱いでは、当初ワクチン接種時間のみが勤務扱いでしたが、通信産業本部がワクチン接種後の副反応で出社できない場合も勤務扱いを要求し、「診断書提出なしの病気休暇扱い」とする旨の会社回答を引き出しました。

 また、NTT西日本のシステム故障で、通常業務でのコール受付ができないことから「インセンティブ手当の支給対象がなくなるのは問題だ」として、NTT西日本やグループ会社に要求書を提出。一部是正措置として、オーダ受付者へインセンティブ手当の仮払い支給がされています。

 組合員拡大では、パワハラ問題による労働相談からの拡大や、OBが趣味のサークルで繋がりのある人に声をかけて拡大に繋げています。

 NTTは、コロナ後を見据えた働き方改革への検討を開始し、「時間や空間にとらわれない柔軟な働き方」と「ジョブ型雇用」をかかげ、労働者に「成果主義」のさらなる強化を押し付けようとしており、雇用と労働条件を低下させない取り組みが必要です。

 結成40周年記念で発行した冊子「たたかってこそ明日がある」には、たたかいの経験と諸先輩方の通信産業本部に対する熱い思いが寄せられています。私たちはこれまでのたたかいの教訓に学び、確信を深めることで、今後も職場労働者の利益を守り、国民のための安全・安心・確実な情報通信の確立に向けた取り組みを続けます。

 いま、全国では新型コロナウイルスの感染爆発により重症者、自宅療養者が急増し入院治療が必要な方が自宅で亡くなるという痛ましい事態が続いています。このような医療崩壊を招いた原因は菅政権の「自助・共助」優先姿勢と「無為・無策」の政治が招いた必然の結果です。

 今度の総選挙は国民のための政治への転換を実現する絶好のチャンスです。くらしを守るにはどのような政治が必要なのかを自ら考え、投票に行き自らの意志を示せば、政治は変えることができます。職場も政治も社会も大きな転換期にあるいま、平和と民主主義を守り、安心して働き続けられる職場をつくるために通信産業本部の存在意義を遺憾なく発揮し、すべての支部・分会が組織拡大に踏み出し、すべてのたたかいを組織の拡大強化につなげ、通信産業本部の展望を切り開くために全力をつくすことを誓い、宣言します。

2021年9月4日
JMITU通信産業本部第6回定期大会
 
 
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 【特別決議】

 市民と野党の共闘の前進で総選挙に勝利し、国民不在の自公政治に終止符を求める特別決議
 変異型「デルタ」株・コロナ感染拡大で、飲食、宿泊業をはじめ、多くの労働者に収入減、雇い止めなどの影響が表れています。また、マスコミは連日コロナにおける医療体制の危機的状況を伝えるとともに、全国各地で日々感染者が増加しています。

 菅政権は2020年8月、安倍晋三首相の辞意を受けて誕生しましたが、菅首相は安倍政権の政治姿勢を踏襲すると言明し、安倍元首相の「森友・加計」「桜を見る会」などの疑惑解明を棚上げにし、日本学術会議が推薦した会員候補を拒否するなどの政治姿勢に多くの国民から批判を受けてきました。

 同時に、1年半余りに及ぶ新型コロナ感染拡大では、有効なPCR検査を充実させず、ワクチン対策でも後手に回り、深刻な医療崩壊を引き起こしながらも、有効な対策に着手せず、多くの国民の生命と健康が奪われました。

 8月22日投開票が行われた横浜市長選挙では、菅首相のおひざ元で野党が推した山中竹春氏が、菅首相が推した小此木(おこのぎ)八郎氏に18万票以上の大差をつけて当選しました。これは菅自公政権のコロナ対策への不満、林文子市政のカジノ推進への市民の反対意思が示された結果です。

 そして広範な市民と立憲民主党、日本共産党、社民党などの野党との共闘が前進した表れです。この流れは、4月の衆参3選挙での勝利、東京都議選での野党陣営の議席増から続いている市民と野党共闘の前進の成果です。

 これらのことから、菅政権を支えた自民・公明による政治姿勢への批判が、国民審判としてこれまでの選挙結果に示されています。

 JMITU通信産業本部は、IMITU第12回定期大会で確認された「労働者・国民のいのちや雇用、生業、地域を守り、生活を底支えするとともに、憲法を守りいかし、私たちの要求を実現することができる政治に転換するための、実現したい8項目の要求」実現に向けて奮闘します。

 そして、秋の総選挙で自民・公明による国民不在の政権に終止符を打ち、国民のための政治を取り戻すため、職場労働者との対話を一層深め、選挙での投票を積極的に呼びかけることで、政治的関心を高めながら、労働者・国民のいのち、くらしと雇用、憲法を守る立場から、市民と野党の共闘による新たな政治の実現をめざし全力をあげるものです。
以上決議します。

2021年9月4日
JMITU通信産業本部 第6回定期大会
 
 
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 ■2021年度通信産業本部役員決まる