2020年「働くみんなの要求アンケート」報告
大幅賃上げで消費を増やし景気回復を
 
 JMITU通信産業本部は、2020年国民春 闘で職場の対話を重視した要求を作り上げるために「働くみんなの要求アンケート」と「かんたん 家計簿調査」に取り組みました。
ご協力いただき ました多くの皆さまにお礼申し上げます。

 生活実感
 
 
 
 非正規雇用労働者の生活実感では

 「かなり苦し い」 37.8%
 「やや苦 しい」 39.3%
合わせ ると 77.1%の人が「苦 しい」と感じています。
 「まあまあだ」が 18.2%
 「ゆとりがある」と 回答した人は4.1%でした。

  社員の生活実感

 「やや苦しい」と「かなり苦 しい」を合わせると 63.1%
 「まあまあだ」が28.0%で「ゆとりがあ る」と回答した人は7.2%でした。
 
 
 
  賃金要求額

 非正規雇用労働者の賃上げ要求額の内訳は、

 時給400円以上が 31.3%と一番多く、次に200円が 20.3% 100円が 16.9%、300円 が 15.4%でした。
 続いて、 50 円が5.5%、150円が4.7%、 30 円 未満が2.1%、 80 円が1.0%となっています。
 
 社員の賃上げ要求額の 内訳は

 1万円が 31.5% で一番多く、5万円が15.5% 3万円が 11.3%、 5千円が 11.3%、 10万 円以上が 10.1%、2万 円が9.5%などとなっ ています。
 
 すべての仲間の賃上げを
 NTTグループで働く 非正規雇用労働者は、正 規雇用社員との賃金・労働条件の格差のもとで、事業で大きな役割を担い ながらも低賃金で働かさ れています。

 NTTグループ各社は 2016年から2019 春闘では、正規雇用社員 にベースアップを含む回 答を行ってきましたが、 成果手当など評価部分の 格差を大きく拡大してい ます。

 また 60 歳超え月給 制契約社員には特別手当 の評価部分に上積みを行 い、60 歳超え時給制契約 社員や非正規雇用社員に は「ゼロ回答」で、年収格差の更なる拡大を行っ ています。

  いま必要なのは、全ての労働者の大幅賃上げと 均等待遇を実現し、実質 賃金を向上させることで す。

  労働者の生活改善で 個人消費を増やし、日本 経済を立て直すことです。
 
 
 
 アンケートに 寄せられた声

●アソシエイトから社員になったがまったく月の収入が変わらない。アル バイトを探しながらの仕 事は全然身に入らない先 行きが不安で仕方ない。(南関東 50 代)

●非正規 が重要度の大きい内容の 仕事をまかされ、精神的 な負担も大きい。同一労 働同一賃金であるなら、 正社員と同じ給与を求め る。(マーケティングア クト契約社員)

●15年くらい働いていますが、給 料がまったくあがりませ ん。手取り20万ないなん て信じられない。(フィールドテクノ 30 代)

●退職・再雇用者の給与を50歳前に戻して頂きたいです。生活が苦しく、やる気が起きません。(東北 50 代)

 
 正規社員  「成果・業績主義」賃金制度について
 
 
 
  正規社員の「成果・業績主義」賃金制度について、49%が【やめるべきだ】、39%が【このまま続けて充実させればよい】と改善を求めています。
 
 「評価査定についてどう考えますか」では
【評価方法や評価基準が不透明で、適当に決めているように見える】が60%、
【恣意的に評価されていて、納得いかない】が18%、
【よく見極めて適切な評価がされている】が15%と答えています。

意見では
●評価が恣意的で公平性が明瞭ではない(50代・男性)
●すぐに透明化するべき、「このまま続けて充実させればよい」ではダメ(50代・男性)
●頑張っても順番があるとよく言われる(50代・男性)

 
   仕事や職場について 非正規社員
 
 
 
  非正規社員が「仕事や職場で特に不満に思うこと」は
【賃金が安い】が65%
【正社員との労働条件や賃金格差】が51%
【退職金が無い・少ない】が28%
【仕事や職場がなくなるのでは】が27%
【正社員を希望しているがなれない】が14%です。

  賃金や労働条件についての不満や雇用への不安が上位を占めています。

  「あなたの職場状況について」では無回答などを除き
【職場が楽しい】20%
【人間関係で悩んでいる】24%
【セクハラ・パワハラを感じたことがある(あなた以外でも)】20%となっています。

 
   非正規雇用労働者から多くのご意見が寄せられています。

●無期になっても安心感は無い。給与も全く上がりません。毎年、正社員の試験を受けますが、門戸が狭く、モチベーションも下がる一方。
退職も出来ず、八方ふさがりを感じています。(ビジネスソリューションズ40代)
●エリア社員の給与が低く抑えられ、業務への意欲が上がらない。
福利厚生は充実されたが、生活の基礎の月額手取り収入は低下。
土日アルバイトをしないと生活が苦しい。同一労働、同一賃金には程遠い。(南関東50代)
●月・手取平均14万円では、家賃や光熱費で一杯いっぱい。
しんどい!(南関東契約社員)
 
 
 家計簿調査が示す契約社員の生活苦
 
 Aさん 家族の支援なければ8万円の大赤字
 
 
 
 昨年10月、家計簿調査にチャレンジ。
 1400円の赤字に収まりました。
 これは家族のアルバイト、子どもが家計へ給料の一部を繰り入れたものです。
 助かりました。
 無ければ8万円の大赤字。
 妻に何か意識して買い物したかを聞いたら「消費税増税だから買い控えた」とのこと。
 支出の大きい物は「自家用車関連」、と通信費。
 合わせて56000円。
 光通信、スマホ5G。技術の進歩も大事ですが、同時に料金を廉価に提供する技術も大事です。

 
 Bさん  格差や差別に苦しむ人を作らない社会に
 
 
 昨年2月から節約のためにほぼキャッシュレス決済です。
 私の場合クレジットカードは使わず、即時払いのみで利用しています。
 ATMでの出金が減り便利になりました。
 無理な節約は続かないので見直し・立て直し適度に息抜きしながら続けています。
 消費税増税、食料品・日用品の値上げ、交通費も値上げで生活を改善するのが困難ですが、貧困から頑張っても抜け出せない様な社会にならないように願っています。
 格差や差別に苦しむ人を作らない社会にしてほしいと思います。
 
 JMITU通信産業本部 調査部